システマの設計思想ややっていることが世の中に伝わっていないと感じることが多々ありますので、書いてみます。
あわせて、格闘技、武術、護身術の違いについても理解いただけるかと思います。
① システマは非対称な関係を想定して作られている
例えば、格闘技であれば一般的には、体重や服装、ルールを揃えてどちらが優れた選手であるかの勝敗を決めます。
一方で、護身術としてのシステマは、相手の体重は自分と違い、服装も同じではなく、ルールもない状況で身を守る事を想定しています。
1対1、多人数対1人、1対多人数も想定した練習をしますし、徒手格闘はもちろん、相手が銃やナイフなど武器を持っていると想定します。
② 目的は身を守ること
格闘技であれば①の様に決まりの中で両者の優劣を競い合います。一部の武術でも競技として同様に優劣をつけるものも多いです。
一方で、システマでは身を守ることが目的ですので、格闘は練習の中の一部であり、危険の察知、危機からの逃避および回避、回復術を含めて総合的にトレーニングします。また、パーソナルプロテクション(警護)についても取り組むことがあります。
③ 相手の意図に差がある
格闘技であれば、普通であればお互い勝利を目指してルールの中で勝敗を競います。
一方で、護身における場面、つまり日常での相手の意図は様々です。感情的になって襲いかかってくるのか、金品や暴行が狙いか、何かを守ろうとしているのか、あるいは明確に殺意に基づいているか、本当は争いたく無いのか… 非常に多くの場面があります。
それらを察知して自動的に身を守る行動に結びつけることができるようにトレーニングします。
結びに、格闘技、武術、護身術そしてシステマ、それぞれ目的と想定状況がありそれに合わせて設計思想があることがご理解いただけるかと思います。
システマの一見すると不思議に見える練習も上記の想定や目的達成の為に考えられたものです。
皆様におかれましても自らの目的と想定、そして楽しみのために活動できることを祈っております。
システマ愛媛代表